即應翠蓮の禅語【心・禅・美】
心がけ次第でどんな場所にも学びがあります。食べる時や寝る時でも前へ進む一歩であり人生は道場といえます。嫌なことや失敗があっても「自分を成長させてくれる道場」だと思い前向きに捉え、乗り越えることで人は成長し強くなっていきます。(歩歩是道場)
一日一日を大切に過ごしましょう。日々の苦しみ・悲しみ・喜び・落ち込んだ日・迷った日でもその時の感情や状況から執着せず、自然のまま、意のままに過ごすことが、輝かしい一日となります。その日その日が最上であり最高の一日と捉え過ごしましょう。(日々是好日)
正しい目的に向かって日々並々ならぬ努力を続ける人には、雪が溶ければ大地に山野草が咲き乱れるかのように、必ずそれ相応の結果が現れます。人は結果を求めて生きがちですが、結果に至るまでの「過程」を大事にすることが良い成果を得られます。(結果自然成)
人は生まれながらに「道を極める」可能性を兼ね備えています。まずは己の向き不向きを実感しましょう。それを知ったうえで努力を惜しまず、個性や特性を伸ばすことで唯一無二となります。究極を追及するには生涯学習する精神と日々の気づきが最も大切です。(人人悉道器)
絶好調な時ほど細心の注意を払い行動しましょう。人はうまくいかない時ほど謙遜し、時には初心に返ったりしますが、逆に調子がいい時は有頂天になりがちです。そんな時ほど奢ることなく冷静な判断を心がけ客観的に我が身を振り返ってみましょう。(勢不可使尽)
善悪・左右・上下・是非・好き嫌いといったように、相対する二極的な思考から脱却すると、本来の自分と出会えます。見えているもの、聞こえているものなど五感で感じるもの自体が真実であり、それ以上追及すると人は愚かになってしまいます。(不思善不思悪)
家族、友人、同僚など他者の不足を論ずる前に己の言動を見つめ直しましょう。外ばかり見ていると内側が疎かになります。自分の足元を見て天を仰ぎ仕切り直すことも必要です。「人の振り見て我が振り直せ」と己に言い聞かせ他者の手本となることがポイントです。(照顧却下)
様々な欲求の中でも特に、名誉欲・金銭欲を断ち切りましょう。「名誉がある事」や「お金をいっぱい持っている事」はとても素晴らしいことですが、「欲」に執着してはいけません。欲を追及しすぎると己に溺れます。欲心を切り離し全身に朝日を浴びましょう。(名利共休)
希望・願望・欲望へと追及する心にブレーキが止まりません。「足るを知る」ことで己の足元を見つめ出来る範囲の物事にトライしましょう。遠くの先ばかりを見つめていると儚い夢となって散ってしまいます。幸福とは豊かな感情があれば実感できるものです。(知足)
人は様々な事象により心が揺らいでしまいます。それは利益・損失・誹謗・称賛・苦楽といった「風」が吹くことから揺らいでしまいます。一方で木は風が吹いても多少揺れはあっても吹き飛ばされません。自分の心をしっかり持って強風に煽られても見失わないようにしましょう。(八風吹不動)
太陽は私たちに平等に光を放ち、地球は休むことなく太陽の周りを回ります。しかし人は一瞬の闇から差別・区別・分別をしてしまいます。だからこそ人は無心・無欲な太陽や自然の存在に憧れるのかもしれません。平等に何人にも思いやりのある心を持ちましょう。(天私無)
「人身得ること難し」という言葉があります。これは人間として生を受けたことは有難いという意味です。私たちの身体は親から授かった宝ものです。宝ものは大切に使わなくてはなりません。先祖代々から繋がる魂のDNAに感謝し、親に敬意を表して日々を過ごしましょう。(人身得ること難し)
即應翠蓮 作